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「株主総会の運用方法および決議要件の概要」TNY Group Newsletter No.70

1.日本

会社法上、株主総会には定時株主総会と臨時株主総会の2種類があります。

定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければなりません(会社法296条1項)。開催時期は会社の定款で定められますが、一般的に事業年度の終了後3か月後の時期としている会社が多いです。

臨時株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができます(会社法296条2項)。

(2) 株主総会の招集手続き

 株主総会の招集手続きは以下のとおりです。

 まず、取締役会で、株主総会の日時・場所・目的事項等を決定し(会社法298条)、招集通知を株主に発送します(会社法299条1項)。

招集通知は、公開会社の場合、株主総会の2週間前までに、非公開会社の場合は1週間前までに発しなければなりません(会社法299条1項)。

(3) 株主総会の運用

決議には、普通決議、特別決議、特殊決議の3種類があります。

このうち、普通決議は、行使可能な議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行われます(会社法309条1項)。

また、特別決議には、行使可能な議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上の多数をもって行われます(会社法309条2項)。

特別決議は、定款変更や組織再編等、会社の重要な問題を決議する際に求められます。

そして、特殊決議とは、特別決議より更に厳しい決議要件が定められているものをいい、例えば、発行株式の全部に譲渡制限を付すためには、議決権を行使することのできる株主の半数以上が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上の多数をもって決議しなければなりません(会社法309条3項)。また、非公開会社において、剰余金の配当を受ける権利等の一定の権利について、株主ごとに異なる内容を定める旨の定款変更をする場合には、総株主の半数以上が出席し、総株主の4分の3以上の多数をもって決議しなければなりません(会社法309条4項)。

2.タイ

(1) 株主総会

民商法典第1171条によると、タイにおける株主総会として、「定時株主総会」と「臨時株主総会」の2種類の総会が定められています。会社設立登記の日から6ヶ月以内に開催する総会及び、その後少なくとも12ヶ月に1度は開催する年次株主総会を「定時株主総会」と呼び、それ以外の総会を、「臨時株主総会」と呼びます。

(2) 決議事項

株主総会において民商法典上決議が必要とされている事項は、以下の通りです。

  1. 普通決議事項

取締役の選任及び解任(第1151条)、取締役の報酬決定(第1150条)、決算報告書の承認(第1197条)、配当の決定(第1201条)、監査人の選任(第1209条)、監査人の報酬決定(第1210条)

  1. 特別決議事項

基本定款、附属定款の変更(第1145条)、新株の発行による増資(第1220条)、金銭払込以外の方法による新株発行(第1221条)、減資(第1224条)、解散(第1236条第4号)、合併(第1238条)

上記以外にも、附属定款において株主総会の決議が必要と定められている事項については、当該定めに従い、株主総会における決議が必要となります。

(3) 招集通知

普通決議事項のみの株主総会の場合、総会開催日の7日前までに、株主名簿に記載されている全株主に、配達記録付き郵便により招集通知を郵送する必要があります。

特別決議事項が含まれる株主総会の場合、総会開催日の14日前までに、株主名簿に記載されている全株主に、配達記録付き郵便により招集通知を郵送する必要があります(第1175条)。

(4) 決議方法

株主総会における議決権は、附属定款に別途定めがある場合を除き、原則として、1株主につき1議決権とされ、挙手制による決議方法が定められています(第1190条、第1182条)。ただし、株主総会において少なくとも2名の株主から秘密投票が要求された場合は、秘密投票によることができます(第1190条)。この秘密投票の場合、1株につき1議決権が付与されます(第1182条)。

また、議決権の行使は、代理人により行うことも可能です。しかし、代理人への委任については書面でなされる必要があります(第1187条)。また当該書面は、少なくとも代理を予定する株主総会開催時までに、議長に提出される必要があります(第1189条)。

(5) 定足数・決議要件

定足数としては、少なくとも2名の株主(代理人による出席を含む)の出席、かつ会社資本の4分の1以上を有する株主の出席が必要とされています(第1178条)。

決議要件に関して、普通決議事項については、出席株主の有する議決権の過半数の賛成により可決されます。特別決議事項については、出席株主の有する議決権の4分の3以上の賛成により可決されます(第1194条)。

票数が同数であった場合には、株主総会の議長が決定票を投じることになります(第1193条)。

3.マレーシア

(1) 概要

会社法上、年次株主総会の開催義務があるのは公開会社のみであり(会社法340条⑴)、非公開会社は、定款に特段の記載がない限り、年次株主総会の開催義務はありません。

(2) 株主総会の運用方法

(ア) 招集通知

株主総会を開催する場合、非公開会社においては、普通決議事項については総会開催日の14日前(定款でより長期間の日数を定めた場合はその日数)(会社法316条⑴)、特別決議事項については21日前に招集通知を送付する必要があります(会社法292条⑴)。また、次の事項については、28日前に招集通知を送付する必要があります。

    ・ 取締役の解任(会社法206条⑶)

    ・ 会計監査人の解任又は退任する会計監査人に代わる別の会計監査人の選任(会社法277条⑴、280条⑵)

    ・ 清算人の解任(445条⑶)(イ) 開催方法(物理的・電子的)

(イ) 通知の方法

招集通知は、ハードコピー、電子的方式、又はそれらの併用の形で、文書により行います(会社法319条⑴)。ハードコピーの招集通知については、直接の交付又は株主が指定した住所への郵送により行います。電子的方式の招集通知については、株主が指定した電子メールアドレスへの送信又はウェブサイトへの掲載により行います(会社法319条⑵)。招集通知をウェブサイトへ掲載する方法により行う場合、あらかじめ、株主に対して、ハードコピー又は電子的方式による文書で、招集通知をウェブサイトへ掲載する方法により行う旨を通知しておく必要があります(会社法320条)。

(ウ) 定足数

株主が1名のみの場合:その株主の出席により充足します。それ以外の場合、2名の株主またはその代理人の出席により充足します。ただし、定款で別途の定めを置くことも可能です(会社法328条⑵)

(3) 株主総会の決議要件の種類

(ア) 普通決議

普通決議事項は、議決権を有する株主の過半数が賛成することにより可決されます。書面決議による場合、普通決議事項については議決権割合で過半数以上の株主が賛成の署名を行った場合に、可決されることになります(会社法291条⑴)。普通決議事項は主に次のとおりです。

・ 取締役の選任(会社法202条⑵)、解任(会社法206条⑴)

・ 役員報酬の決定(定款の定めがある場合は取締役会承認で可。会社法230条⑵)

・ 会計監査人の選任(会社法267条⑷)、解任(276条)

・ 新株発行(会社法75条⑴)、増資(会社法84条)

・ 取締役等への会社貸付け(会社法224条⑶)

・ その他株主総会決議事項のうち、会社法において決議の種類が定められていない場合(会社法290条(3))。

ただし、定款で別段の定めが存在する場合は定款に従うこととなります。

(イ) 特別決議(Special resolution)

特別決議事項については議決権割合で75%を超える株主が賛成の署名を行った場合に可決されることになります。特別決議を経る必要がある事項は主に次のとおりです。

・減資(会社法115条等)

・社名の変更(会社法28条)

・定款の作成、変更(会社法32条⑴、36条⑴)

・会社形態(公開会社・非公開会社)の変更(会社法41条)

・株主による任意清算(会社法439条⑵)

(ウ) 書面決議(Written Resolution)

会社法には、株主総会で決議すべきものとして定めた事項(以下「株主総会決議事項」といいます。)が存在します。非公開会社の場合、株主総会決議事項について、株主総会を開催した上での決議ではなく、書面による決議により意思決定を行うことが通常です(会社法297条⑴)。ただし、次の事項については、書面による決議を用いることはできず、株主総会を開催の上で決議を得る必要があります(会社法297条⑵)。

・取締役の解任

・会計監査人の解任

4.ミャンマー

(1) 株主総会の種類

ミャンマー会社法上、株主総会は以下の2種類に大別されます。

(ア) 定時株主総会(Annual General Meeting:AGM)

会社法第146条に基づき、原則としてすべての会社は毎事業年度ごとに1回、定時株主総会を開催しなければなりません。初回の提示株主総会は会社設立後18か月以内、2回目以降は前回の提示株主総会から15か月以内に開催しなければなりません。

(イ) 臨時株主総会(Extraordinary General Meeting:EGM)

提示株主総会以外に、必要に応じて開催される株主総会です。

開催事由は取締役会の決議または議決権の10%以上を有する株主の請求です。

(2) 株主総会の運用方法

(ア) 招集通知

原則として21日前までに書面で通知する必要があります。ただし、全株主の同意がある場合、短縮通知も可能です。

(イ) 開催方法(物理的・電子的)

電子的手段による開催(テレビ会議、ビデオ会議等)が明示的に認められています。

(ウ) 定足数

原則は議決権を有する株主2名以上であり、定款により別途定めることが可能です。

(3)株主総会の決議要件の種類

株主総会の決議は主に以下の3種類に分類されます。

(ア) 普通決議(Ordinary Resolution)

要件は出席株主の過半数(50%超)の賛成です。

(イ) 特別決議(Special Resolution)

要件は出席株主の75%以上の賛成です。招集通知で「特別決議」である旨の明示が必要です。

(ウ) 書面決議(Written Resolution)

株主総会を開催せずに書面または電子的方法で決議することが可能です。要件は、原則として全株主の同意が必要です。

5.メキシコ

(1) 株主総会の運用方法

メキシコの株式会社においては、株主総会は株主によって構成される会社の最高意思決定機関であり、会社の全ての行為および業務について決議の対象とすることができます。株主総会には、通常総会(Asamblea Ordinaria)と特別総会(Asamblea Extraordinaria)が存在し、決議事項により区分され、決議要件等に違いが表れます。

株主総会の招集は、原則として取締役もしくは取締役会または監査役が行います。監査役が欠けた場合は取締役会が3日以内に監査役選任のための株主総会を招集し、期間内に招集しない場合には株主は裁判所に対し招集を請求できます。また、資本金の33%以上に相当する株式を有する株主は、書面により株主総会の招集を取締役会または監査役に請求できます。さらに、2年連続で総会が開催されていない場合等には、1株の株主でも招集を請求できます。総会は、定款に定められた方法による事前通知をもって、経済省の電子システムに公告することにより招集されます。定款に記載がない場合は、総会の15日前までに通知を行います。

株主は代理人(株主であるかを問わない)により議決権を行使でき、代理権は定款所定の方法、定めがない場合は書面で与えられます。取締役および監査役はいずれも代理人になることはできません。株主の種類が複数ある場合は、特定の種類株主の権利を害する可能性のある議案につき、影響を受ける種類株主による特別総会での事前承認が必要となります。自己または他人のために会社の利益に反する利益を有する株主は、その取引についての審議を棄権しなければならず、違反した株主は、その株主の議決権行使がなければ決定に必要な過半数を得られなかった場合には、損害賠償責任を負います。議決権拘束契約も認められますが、裁判所の判決がある場合を除き会社に対して対抗力を有しません。株主総会によって適法に採択された決議は、会社法の規定に基づく異議を申し立てる権利を行使した場合を除き、欠席または反対した者に対しても、拘束力が及びます。

(2)株主総会の決議要件

通常総会の決議事項は、会社法182条に定める特別総会決議事項に該当しない事項です。そのほか、(i) 会社法172条に定める取締役の事業報告について監査役の報告を考慮して審議し、承認または修正し、適切と思われる措置を講じること、(ii) 取締役、取締役会および監査役の選任、(iii) 定款で定められていない場合は、取締役および監査役の報酬の決定が、通常総会決議事項と特に定められています。通常総会における定足数は資本金の2分の1以上に相当する株式を有する株主の出席であり、決議要件は出席した議決権の過半数です。通常総会は、会計年度終了後4か月以内に開催されることが規定されています。

特別総会の決議事項は、会社の存続期間の延長、存続期間前の解散、資本金の増減(ただし可変資本制の場合は不要)、会社の事業目的の変更、会社の国籍変更、会社の組織変更、合併、優先株式の発行、自己株式の消却と享受株式の発行、社債発行、定款の変更、法律または定款で特別定足数を必要とする全ての事項です。特別総会はいつでも開催可能であり、定足数は、定款で別の定めがない限り資本金の4分の3以上に相当する株式を有する株主の出席、決議要件は資本金の2分の1以上に相当する議決権です。

6.バングラデシュ

(1)株主総会の種類

① 定時株主総会

 すべての会社は、暦年に一度、かつ前回の定時株主総会から15か月以内に、定時株主総会を開催しなければなりません。初回の定時株主総会は、会社設立日から18か月以内に開催する必要があります。やむを得ない事情がある場合には、所定の手続きを経ることで、一定期間の延期が認められます。規定通り開催されない場合は、株主の申し立てにより裁判所が招集または招集命令をだすことができます。(82条)

② 臨時株主総会

 発行済株式総数または議決権の10分の1以上を有する株主から請求があった場合、取締役は臨時株主総会を招集しなければなりません。請求は、目的を明記した書面により行う必要があります。取締役が期限内に対応しない場合には、株主自らが総会を招集することができます。(84条)

(2)株主総会の運用方法

① 招集通知

 株主総会の招集通知は、原則として21日前までに、書面により行わなければなりません。ただし、定時株主総会については、議決権を有するすべての株主の同意がある場合、通知期間を短縮することができます。(85条(1))

② 定足数

 付属定款に別段の定めがない場合、非公開会社で株主が6名以下の場合は2名、7名以上の場合は3名、その他の会社では5名が定足数となります。(85条)

(3)株主総会の決議要件の種類

① 普通決議(Ordinary Resolution)

 取締役の選任、取締役の報酬、配当、監査人の選任、監査人の報酬、決算書の承認等を決議内容とする場合です。出席した株主の過半数の賛成が必要となります。

② 特別決議(Special Resolution)

 定款変更、商号の変更、減資、検査役の選任、監査人の解任、会社の解散等が決議内容となる場合です。株主の4分の3以上の賛成により議決し、かつ、特別決議であることを知らせる招集通知を開催日の21日までに通知する必要があります。

③ 特殊決議(Extraordinary Resolution)

 株主である取締役の解任、会社清算に伴う債権者と会社間の合意事項の決定等が決議内容となる場合です。株主の4分の3以上の賛成が必要となります。

7.フィリピン

(1) 株主総会の通常決議

①定足数

原則として、株主総会が成立するためには、発行済株式総数(Outstanding Capital Stock)の過半数を有する株主の出席が必要です。もっとも、定款で別途定めることも可能です。

②承認に必要な賛成数

通常決議は、出席している株主が有する株式数の過半数の賛成により可決されます。

つまり、

という2段階構造になっています。

③通常決議で足りる事項の例

(2) 株主総会の特別決議

会社の基本的な構造やガバナンスに重大な影響を与える事項については、通常決議よりも厳しい決議要件が課されます。

特別決議の具体例は以下のとおりです。

①発行済株式総数の過半数の賛成が必要なもの

②発行済株式総数の3分の2以上の賛成が必要なもの

※決議事項によっては、「議決権のある株式のみをカウントする」など、賛成数の算定方法が異なる場合があります。

(3) 株主総会の手続があった場合の効果

株主総会で定足数や決議要件などに違反があっても、基本的にその決議は自動的に無効にはなりません。そのため、会社はその決議を前提に動くことが出来ます。決議の無効を主張したい株主等は、無効確認や差止め請求などの法的手続を通じて争う必要があります。

8.ベトナム

(1) 会社形態

ベトナムの現行企業法の下では、設立時に選択可能な企業形態が複数あり、そのうち国内外の投資家により最も一般的に選択されているのは、以下の2つです。

企業の最高意思決定機関の有効な会合を招集し、対応する決議を採択するための条件に関しては、企業形態に応じて異なる規定が適用されます。企業は、定款/会社規程(以下「定款等」といいます。)において、会合の招集及び決議の採択に関する独自の条件及び要件を定めることができますが、当該条件及び要件は、適用される法定要件のものより緩やかであってはなりません。なお、各企業形態における最高意思決定機関は、一人有限責任会社の場合は所有者(なお、組織が所有者である一人有限責任会社においては、当該組織がその代理として行動するために代表者のグループを任命することができ、当該グループは社員総会と称されます。)、二人以上有限責任会社の場合は社員総会、株式会社の場合は株主です。

詳細については、以下の法定規定をご参照ください。

(2) 有限責任会社(LLC)という企業形態に関して

① 個人が所有者である一人有限責任会社の場合

個人所有者は、自身の決議の発行を通じて、企業の全ての事項を決定する排他的権限を有します。

② 組織が所有者である一人有限責任会社の場合

現行規定により、組織所有者は、以下を含む2つの組織構造モデルのうちいずれかを適用することが認められています。

(a) 会長及び社長/総社長

会長は、社長/総社長の権利及び義務を除き、決議の発行を通じて、所有者の代理で、所有者のために、全ての事項を決定する排他的権限を有します。

(b) 社員総会及び社長/総社長

3~7名の代表者のグループが社員総会を構成することができます。社員総会の会合は、その構成員の3分の2以上が出席した場合に有効とみなされます。

社員総会は、書面で意見を聴取する方式により、決議及び決定を承認することができます。ただし、当該決議又は決定は、次のとおり承認されることを条件とします。(i) 定款等の改正、会社の再編、又は会社の定款資本の全部又は一部の譲渡の場合には、出席構成員の75%以上又は総議決権の75%を超える議決権を有する出席構成員数による承認。(ii) その他の事項の場合には、出席構成員の50%以上又は総議決権の50%を超える議決権を有する出席構成員数による承認。社員総会のいかなる決議又は決定も、その承認日から、又はそこに定める別の効力発生日から有効になります。

③ 2人以上有限責任会社の場合

社員総会は、少なくとも年1回招集されるものとし、社員総会の会長の要請により、又は定められたとおり社員もしくは社員のグループの要請により招集され得ます。社員総会の会合は、(i) 1回目の会合の場合、定款資本の65%以上を有する社員が出席したとき、(ii) 1回目の会合が招集できなかった場合の2回目の会合において、定款資本の50%以上を有する社員が出席したとき(iii) 2回目の会合が招集できなかった場合の3回目の会合において、定款資本の任意の割合を有する社員が出席したときに、有効とみなされます。

社員総会は、会合での決議、書面で意見を聴取する方式、又は定款等に定める他の方法により、決議及び決定を承認することができます。ただし、当該決議又は決定は、次のとおり承認されることを条件とします。

社員総会のいかなる決議又は決定も、その承認日から、又はそこに定める別の効力発生日から有効になります。

(2) 株式会社(JSC)という企業形態に関して

株主総会(GMS)は、少なくとも年1回招集されるものとし、取締役会若しくは監査役会の要請により、又は定められたとおり株主又は株主のグループの要請により招集され得ます。株主総会は、(i) 1回目の会合の場合、50%以上の議決権を有する株主が出席したとき、(ii) 1回目の会合が招集できなかった場合の2回目の会合において、33%以上の議決権を有する株主が出席したとき、(iii) 2回目の会合が招集できなかった場合の3回目の会合において、任意の割合の議決権を有する株主が出席したときに、有効とみなされます。

株主総会は、その決議及び決定を、議決又は書面で意見を聴取する方式により、承認することができます。当該決議又は決定は、以下のとおり承認された場合に、適法に採択されたものとみなされます。

9.インド

(1) 株主総会の種類

インドの会社法上、株主総会には定時株主総会(AGM: Annual General Meeting)と臨時株主総会(EGM: Extra-ordinary General Meeting)の2種類があります。

定時株主総会は年1回開催され、前回の株主総会から15か月以内かつ会計年度末から6か月以内に開催する必要があります(インド会社法96条1項)。

また、臨時株主総会は取締役会によって招集され、開催日の21日前までに招集通知を出す必要があります。ただし、株主の頭数の過半数かつ議決権の95%以上の同意があれば、招集期間を短縮できます(インド会社法100条(1))。

(2) 株主総会の運用

 株主総会の定足数は非公開会社の場合2名以上です。公開会社の場合、定足数は株主数によって変わり、例えば、株主数が1000人以下であれば、定足数は5名です(インド会社法103条1項)。

 決議には、普通決議と特別決議の2種類があります。このうち、普通決議は出席株主の過半数、特別決議は出席株主の4分の3以上の賛成が決議要件となります。

 特別決議は定款変更や自己株式の取得等、法令で定められた一定の場合に求められます。

 決議方法には、挙手、電磁的方法、投票があります(インド会社法114条)。このうち、挙手は頭数によって行われ、保有株式数に応じて議決権が割り当てられるわけではないので注意が必要です。非公開会社の場合、定款で別段の定めを置くことで、挙手を排除し、決議は投票のみによる旨を定めることも可能です。

10.アラブ首長国連邦(ドバイ)

(1) 概要

アラブ首長国連邦(UAE)において設立される会社の形態は様々で、有限責任会社(Limited Liability Company)が利用されることが多いですが、以下では、UAE本土の公開株式会社(Public Joint Stock Company)の株主総会の概要を述べます。なお、非公開会社(Private Joint Stock Company)については、上場関連を除き、公開株式会社の規定が準用され(会社法(2021年連邦令第32号)267条)、フリーゾーンで設立された会社については連邦法ではなく、各フリーゾーンで制定された規則が適用されます。

因みに、有限責任会社に関しては、資本持分を有するパートナーによる総会があり、定例総会および臨時総会の招集時期・請求要件(92条)、招集通知発出の期限(93条1項)、定足数の定め(96条1、2項)は、公開株式会社と同様です。決議は、定款に別段の定めがない限り、出席者の持分権の過半数により決せられます(96条3項)が、定款の変更、増資及び減資(増減はパートナーの持分割合による)については、出席したパートナーの持分権の4分の3以上を要し、いずれの場合でもパートナーの財政的義務は全員一致によらなければ増加できません(101条1項)。

(2) 運用方法

 株主総会は、少なくとも年に1度、事業会計年度の末日から4か月以内に開催されなければなりません(173条1項)。 株主総会は、取締役会が招集し、株式総数の10%以上を保有する株主(176条1項)および監査役(177条)も株主総会の招集を取締役会に請求することができ、取締役会が株主の請求に応じず株主総会を招集しなかったとき等法定事由がある場合には、証券商品庁が招集を請求することができます(178条1項)。

招集通知は開催日の21日以上前に発出されなければなりません(174条1項)。

定足数は、会社定款で別段の定めがない限り、会社資本の50%以上の株主の出席(委任状を含む)ですが、定足数に満たなかった場合には、最初に招集された総会日から5日以上15日以内に総会が再度開催され、2度目の総会は出席株主数の数に関わらず有効とされます(185条)。

(3) 決議要件

株主総会の決議は、会社定款で別の定めがない限り、出席株式数の過半数によります(190条1項)。

特別決議は、出席した株式の4分の3以上を保有する株主の過半数の賛成によります(1条)。特別決議を要する事項は、商号の変更(12条2項)、会社存続期間の変更(108条)、会社定款の変更(139条)、定款に規定されている又は会社の目的ではない3年超の長期債務、会社財産への抵当権設定等(154条)の他、新株発行(196条1項)、減資(204条)等の資本金関連事項、会社併合(285条1項、288条1項)等の会社組織変更等が挙げられます。ただし、非公開化には、出席した会社資本90%以上の株主による過半数の賛成を要します(276条1項)。

11. インドネシア

(1) 株主総会の種類

会社法上、株主総会は年次株主総会と臨時株主総会に分類されます(会社法第78条)。年次株主総会は会計年度の終了後6カ月以内に、開催しなければならず、臨時株主総会は会社の利益のために必要とみなされる場合には、(2)株主総会の運用方法にて記載しているような法令に定める手続きを経て、年次株主総会の時期に関わらず開催することができます(同条)。

(2) 株主総会の運用方法

株主総会の開催は、議決権付株式総数の10分の1以上を保有する1名以上の株主、もしくは監査役会(Dewan Komisaris)の請求に基づいて行います(会社法第79条)。取締役会は当該請求を受領した日から15日以内、および開催日の14日前までに、書留郵便および/または新聞への公告掲載により通知する必要があります。取締役会が当該期日までに通知を行わない場合には、監査役会が自ら株主総会を招集することが可能です。さらに、取締役会および監査役会が当該期日までに、招集を行わない場合には、株主総会を請求した株主が、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所の長に対し、自ら株主総会を招集することについての許可を求める申立てを行うことができます(同条、会社法第80、82条)。申し立てに対し、地方裁判所の長は、申立人ならびに取締役会および/または監査役会から意見を聴取したうえで、株主総会の形式、議題、招集期間、定足数および決議要件等を定めます。また、地方裁判所の長は、必要と認める場合には、取締役会および/または監査役会に対し、当該株主総会への出席を命ずることができます(会社法第80条)。

初回の株主総会にて定足数が満たされなかった場合には、2回目の株主総会を開催することができます(会社法第86条)。2回目の株主総会でも定足数が満たされなかった場合、会社は本店所在地を管轄する地方裁判所の長に対して3回目の株主総会の定足数を定めるよう求めることができます(同条)。

また、株主総会は、電話会議、テレビ会議またはその他の全参加者が直接お互いを見聞きでき会議に参加できるその他の方法によっても開催することが可能です(会社法第77条)。

(3) 決議要件

会社法上、決議要件は普通決議、特別決議、特殊決議の合計3種類に分類されます。

普通決議は、取締役、コミサリスの選任・解任や利益処分の承認等に要求されるものであり、定足数は全議決権株式の過半数を有する株主の出席であり、初回の決議における定足数が満たされなかった場合に開催することができる2回目の普通決議の定足数は、全議決権付株式の3分の1以上を有する株主の出席です(会社法第86条)。株主総会で投票された全議決権の過半数の賛成により可決されます(会社法第87条)。

特別決議は、定款変更等に要求されるものであり、定足数は全議決権付株式の3分の2以上を有する株主の出席であり、初回の決議における定足数が満たされなかった場合に開催することができる2回目の決議の定足数は、全議決権付株式の5分の3以上を有する株主の出席です(会社法第88条)。株主総会で投票された全議決権の3分の2以上の賛成により可決されます(同条)。

特殊決議は、会社の全純資産の50%超を構成する資産の譲渡もしくは担保権、吸収合併、支配権取得、清算の承認などに要求されるものであり、定足数は、全議決権付株式の4分の3以上を有する株主の出席であり、初回の決議における定足数が満たされなかった場合に開催することができる2回目の決議の定足数は全議決権付株式の3分の2以上を有する株主の出席です。特殊決議の株主総会で投票された全議決権の4分の3以上の賛成により可決されます(会社法第89、102条)。